宇宙飛行士の帰還後は筋肉が落ちて歩けないって本当?リハビリが必要?

宇宙飛行士

宇宙飛行士の野口聡一さんが、
2020年11月16日に日本人で初めて、民間の宇宙船で
ISS(国際宇宙ステーション)へ飛び立ってニュースになりましたね。

そして約5ヶ月半、宇宙ステーションに滞在し
本日2021年5月2日午後3時40分ごろ、アメリカフロリダ沖に着水
無事に帰還されました!
おめでとうございます!

宇宙飛行士が、宇宙に滞在している間に
筋力が低下するというのを聞いたことがあるので、詳しく調べてみました。

宇宙船から降りる時はどんな感じ?

野口さん達の乗っている宇宙船「クルードラゴン1号機」が
アメリカのフロリダ沖メキシコ湾に着水したのは、現地では夜中です。

そこから、宇宙船ごと専用の船に引き上げられ
着水からおよそ50分後に
船の甲板で、宇宙船のハッチは開けられました。
最初に出てきたのは、司令官のマイケル・ホプキンス氏です。
周りを支えられていますね。

すごく嬉しそうです!

どのくらい、筋力がなくなるの?

宇宙では、ほとんど重力がかからないため筋肉量や骨量が低下し
姿勢を維持する抗重力筋は、1日あたり1%くらい細くなります。

宇宙での1日は、ベッドに寝たきりの2日分、
加齢による身体的変化の1ヶ月分にあたります。

165日間宇宙で過ごした野口さんは、
約11ヶ月寝たきりで過ごしたことになり
身体的変化は165ヶ月分の老化!13年分!!!

これでは将来的に宇宙旅行ができるようになったとしても、
あまり行きたくないかもしれませんね。

さらに、宇宙空間では、身体の重さを感じない生活に慣れ、
バランスがとれなくなる
平衡機能障害も発症します。
地球に帰ってきたときに、めまいのような感覚がするようです。

宇宙での筋力低下を防ぐため、宇宙飛行士は
ISS(国際宇宙ステーション)でも筋力トレーニングを行い
現在の宇宙飛行士の筋力低下は5~15%くらいだそうです。

以前の報告では、6か月の長期宇宙滞在後には筋力は10~20%くらい低下していました。
ISSで運動器具と運動プログラムが改良された結果、筋力の低下率は低くなってきたようです。

2009年にISSに滞在した若田光一宇宙飛行士は
宇宙で毎日2時間の運動を行い、帰還直後から自力で歩くことができたそうです。

心臓から血液を送り出す心拍力もあまり力を必要としないので、心筋でも痩せてきます。
心肺機能の低下を予防するために、宇宙滞在時は心拍数を上げる運動をしています。

短時間で効果的な有酸素プログラムを自転車やランニングマシンを用いて実施しています。

リハビリ期間はどのくらい?どんな内容?

地球への帰還後、宇宙飛行士は健康状態のチェックを受け、
地球の重力に慣れるためのリハビリを始めます。

筋力低下はある程度に留まっていても、神経と筋肉をうまく協調させて、
平衡バランスを維持しないと転倒して、骨折や筋損傷のリスクが高まるので、
地上帰還後のリハビリは計画的に実行しています。

リハビリ期間は45日間

2018年にISSに滞在した金井宣茂(かない のりしげ)宇宙飛行士のリハビリ期間は45日間でした。
週に6日、約2時間のリハビリを行いました。
このリハビリは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで行われました。

日本人宇宙飛行士のリハビリは、これまでは主にNASA(米国航空宇宙局)が主導して行っていたのですが、徐々にJAXAの主導で行うようになっています。

2009年に帰還した若田光一宇宙飛行士は、ジョンソン宇宙センター(JSC)で45日間のリハビリを実施しました。
2016年大西卓哉宇宙飛行士はJSC帰還後21日で日本に帰国しています。
2018年にISSに滞在した金井宣茂宇宙飛行士は、JSC帰還後9日で
日常生活が概ね支障ない水準まで健康状態が回復し、ヒューストンより日本に帰国しています。

リハビリの概要は以下の通りです。

  1. 有酸素運動
    自転車エルゴメータ/トレッドミルなど
  2. ウォームアップ/動的ストレッチング
    前後屈・側屈・回旋
    屈伸/歩行エクササイズ
  3. 抵抗運動
    マシントレーニング
    フリーウェイトトレーニング(ダンベル、バーベル)
  4. 体幹トレーニング
    腹筋・背筋
  5. クールダウン/静的ストレッチング

無重力で失われる平衡機能のリハビリは
バランスクッションやメディシンボールなどを用いたリハビリを行い
平衡機能を回復させます。

まとめ

今回、宇宙飛行士の帰還後のリハビリについて調べてみました。

驚いたのは、ISSの中でも毎日2時間もトレーニングをし続け
それでも筋肉が衰えてしまうことです。

そして地球に無事に帰ってきてからは、重力との闘いが始まるということ。
野口聡一宇宙飛行士は、これからリハビリに入るんですね。

宇宙飛行士って、頭脳明晰なだけでなく、体力も必要とされるんですね。
無重力でぷかぷか浮いてて楽しそ〜!の裏には大変な努力がありました!